Step! ZERO to ONE - 私たちのファーストライブについての話

2017年2月25日、26日。ファーストライブ。

横浜アリーナにて本当にいい景色を見てきた。

何にせライブのレベルが凄く高い。単純に曲がよかった、振り付けがよかった、キャストがよかった、そういうレベルの話ではなく、全体的な完成度が凄まじかったという話である。些細なところまで手を付けてるクオリティの高さには驚くしかなかった。

だからこそ「これが本当にファーストライブなの?」って考えたわけだが、実はその考え通りこれをファーストライブだと言い切るはちょっと難しいところがある。

それもそう、このライブはラブライブ!の7番目のライブであるからだ。キャスト以外にはほぼ変わってないと言っても過言ではないから、そのレベルの高さも実は当たり前なのだ。

ライブの内容だってそう。以前のライブで積み重ねてきた経験やμ’sのファイナルライブでの実験的な要素などが今回のAqoursのライブでは完璧なくらいに反映されている。

これは凄いメリットである同時に、デメリットでもあると思う。キャストの実力は期待通り十分凄くて、合格と言えるものだったが、それでも6年分の経験値が溜まってる「キャスト以外の要素」に追いつけるものではなかった。そんなのは現実的に無理だ。

まるでレベル10のキャラが100の装備を身に着けているかのよう。彼女たちのライブは初めてであるはずなのに、あまりにも凄いから全然そう見えない。1stライブというよりは7thライブという印象が強かった。

もちろんレベルが高いのは良いことだ。自分だって満足している。だったら何が問題なのか?もし誰かが私たちにこういう質問をしてきたとしよう。 

「確かにいいライブではあったが、これがμ’sだったらもっと良いライブになったのでは?」

こういう疑問に対してAqoursのファーストライブはどんな答えを出したのか、そういう話をしてみたいと思う。

 

Aqours First LoveLive ~Step! ZERO to ONE~

今回のライブではアニメとの同期をメインとして使っている。これは分かりやすく確かな方法だ。実際にμ’sのファイナルライブでも成功的だったから。

アニメの内容をなぞるセトリと、アニメのダイジェスト。クライマックスでは演劇→MIRAI TICKETを再現することで、作品内でやってた「作中の観客=現実のラブライバー」を反対側から成し遂げている。アニメではフィクションから現実に、だったのが、今回は現実からフィクションに。

ファーストライブは現実とフィクションが重なりあってる状態を作り、フィクションを完成させることに成功した。2期への繋ぎぎとしては十分。そしてライブはそこで終わった。アニメと同じく、0から1への一歩を踏み出すことで。

普通にいい。素敵なライブだ。でもこれは最初に言った通り、7thライブとしか思えない。これだけでは足りない。だって、これは全部μ’sもやってたことじゃないか。Aqoursのファーストライブはそんな無難に面白いライブで終わってはならない。それはなぜか?何か見せてやると本人たちが宣言してたから。

「この凄さは果たしてAqoursのものだと言えるのか?Aqoursである必要があるのか?」

その疑問の答えを提示すると言っていたから。

ファイナルライブの凄さはライブの構成にあった。でもそれをファーストライブでまたやったところで、あの時みたいな感動は作れない。ここに立っているのはμ’sではなくAqoursだ。実力は悪くないけど、8話で黒澤ダイヤが言ってた通り、実力だけじゃ足りない。何か。他にも何かが必要なのだ。

ラブライブ!の7thライブをラブライブ!サンシャイン!!の1stライブに変えてくれる何か。Aqoursがやっと踏み出した一歩の向こうにあるものを示す何か。その足りないピースを埋めてみせたのは、二人のメンバーだった。

 

想いよひつとになれ:逢田梨香子が成し遂げたもの

(TVAシリーズの)μ’sの物語とAqoursの物語で、一番大きい差、いわば分岐点があるとしたら、それは桜内梨子という人物だ。ほぼ同じ流れで進む物語の中で、外部からの転校生という設定通りに、イレギュラーな動きを見せる存在。

そのイレギュラー性はあまりに長くなりそうだから省略して、言いたいことは何かというと、梨子の特別さがラブライブ!サンシャイン!!を完成させていると言っても過言ではないということだ。彼女が関わった話ではこのシリーズでずっと当たり前だったものが当たり前ではなくなる。

そしてその特別さの頂点にあるのはきっと「想いよひとつになれ」のはずだ。

 まだ加入してないわけでもなく、ずっとメンバーだったキャラが大事なライブシーンに参加できないというとんでもない展開なのに、オタクのヘイトを集めることなく、優秀な「物語」として完成してみせたという、想像すらできなかった展開。それこそこの作品だから可能な。梨子が核心である曲なのに梨子は歌わないってだけでも凄いとしか思えない。

とにかくそんな大事な曲が、今回のライブでは凄いサプライズと一緒に登場した。やってくれるんじゃないかな?という想像くらいはみんなしたことあるだろうけど、理性的にはそんなの出来るわけないじゃんって思ってた演出。ピアノ経験のない素人がこんな短期間にこのレベルの曲を覚えるって無理としか思えなかったから。 

どっかの小さな発表会とかでもなく、横浜アリーナで、12000人くらいの観客相手に、しかもこれが初披露。練習期間はたった数ヶ月。ハードル高いなぁくらいで済む話ではない。自分だったら絶対にやらなかった。100人よりも少ない観客の前で、十分に練習してきたというのに、指がまともに動かないほど緊張して上手くいかなかった経験があるから、それはもはや狂気にしか見えなかった。

 

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